活動日記

京都市:学力向上マニフェスト

2008年5月25日視察・出張

■視察先:京都市 教育委員会
■視察項目:学力向上マニフェストについて
■視察日時:2008年4月30日 14:00~15:30
■対応していただいた方:
 教育委員会指導部学校指導課主席指導主事 島本由紀さん、
 教育委員会指導部学校指導課 小林圭吾さん、小田有希子さん
■議会事務局の方:総務課 舟坂奈津江さん
■視察のねらい
学力向上マニフェストの概要、評価手法、体制、実施事業などの効果を学ぶこと。現場の状況や保護者の反応、特に学習確認プログラム(テスト形式)のしくみを学ぶこと。
現場の職員の話をお聞きすることで、横須賀市との温度差を測り、横須賀市への導入の可否を検討する材料とすること。
■視察の状況
京都市議会において、教育委員会指導部学校指導課主席指導主事 島本由紀さんに、用意していただいた資料をもとにご説明いただいた。
その後質疑応答を行った。
■事業概要
平成18年度に、各学校で学力向上チームの設置を行い、学力向上プラン(学力向上マニフェスト)を定めた。また、この学力向上プランにしたがって、学習確認プログラム(テスト形式)を行い学力の積み上げを図っている。学習確認プログラム(テスト形式)の実施費用は、一人一回1250円で、そのうち650円を公費負担する。要保護、準要保護世帯については、全額公費負担している。残りの600円は各学校長が各世帯より徴収し、直接郵便局などで、業者(東京書籍)に振込みを行う。このプログラムだけで6000万円弱の費用がかかる。
業者の選定プロセスは、簡易プロポーザル方式で、選定委員会を開いて決定している。委員のメンバーは、教育研究会(横須賀市でいう教育研究所)や学校長、指導主事など。
■導入の背景
全国学力・学習状況調査(学力テスト)が近づいてきていたこと
市内の私学進学率が高いこと。
市長(前教育長)のリーダーシップがあったこと。
■所感
京都市は、戦後からずっと、テスト形式の学力定着調査を、教育研究会主体で行ってきていた。通称も「研究会テスト」と呼ばれていた。そのため、学力向上プランの策定や学習確認プログラム(テスト形式)の実施などについても抵抗が無かったものと思われる。
京都市では、指導計画である「京都市スタンダード」を定めていることがわかった。京都市スタンダードとは、学習指導要領にもとづく教科書選定を行ったあとに策定する、教科書をベースにした指導計画である。実物を見せていただいたが、かなりのボリュームであった。現在「学習ナビゲーション」を作成し、この指導計画と評価の連動についても取り組みを進めている。
団塊世代の大量退職を前に、大量採用をしているこの時期において、こうした木目細やかな指導計画の策定は特に意味があるようだ。
実際に現場の方の話をお聞きして、特筆しなければいけないのは、やはり学習確認プログラム(テスト形式)の存在である。校長会の主催事業として、今年度からは、小学校5・6年生から中学校3年生までを対象に行っている。問題の内容については、東京書籍より提案をさせているが、当然教育委員会ともよく協議しながら、事業者がつくりがちな受験用ではなく、最低限の学力が身につくような仕様に変更しているとのことであった。
公表については、一切行っていない。しかし、学校長に対しては、当該学校が平均からみて、どのあたりに位置しているか(順位ではない)わかる資料を配っている。
生徒へは、自分が平均から見てどのあたりに位置しているかがわかる自分が受けたテスト結果を配っている。この結果表がたいへん興味深く、経年して自分が受けてきたテスト結果がグラフ化されており、学力が向上しているかどうか、視認できる。
また、予習シートやフォローアップ教材があわせて配布され、学習確認プログラム(テスト形式)に対する意欲の向上が図られるようになっている。特に、小学生にとっては、夏季・冬季の長期休暇前にプログラム予習のための「おさらい学習教材」を配布しているため、ほかの教材費用を保護者が負担する必要がなくなっている。
当然の配慮ではあるが、内申点などの評価には、このプログラムの結果を使用しないことになっていた。
■最後に
総じて、実りの多いお話を聞くことができた。当初の目的であった、学力向上マニフェストについての話自体は、仕組みができたばかりということもあるし、抽象的な記述になりがちな恐れもあり、収穫は少なかったが、京都市の学力向上(「底上げ」と言ったほうが適当かもしれない)に対する取り組みは、大変参考になった。

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