活動日記

【視察】富山市 都市再生事業など

2008年11月4日視察・出張

■視察先:富山県富山市
■視察項目:コンパクトシティー、ライトレールについて
■視察日時:2008年10月29日 9:00~12:00
■ねらい
コンパクトシティ、まちなか居住推進事業などについてお話をお聞きする。また、ライトレールに乗車の上、現状を視察をする。
グランドプラザを視察する。
■視察の状況
富山市議会において、まず、市議会事務局調査課伊藤氏より、富山市・市議会の概要についてご説明いただいた。
その後、都市整備部交通政策課と、都市整備部都市再生整備課に用意していただいた資料に基づき、ご説明いただいた。
質疑応答の後、ライトレール乗車の手配をしていただいた。
■■富山市の現状
■合併
平成17年の4月1日7つの市町村で、新設合併をした。富山市32万人が、42万人になった。富山県の人口・面積ともに3割程度を占める。市域の7割が森林地帯。
■■コンパクトシティを目指した事業概要
●特性:住まい
市街地の特性:平坦な地形と高い道路整備率。そして、持ち家比率・延べ床面積全国一位で強い戸建て志向がある。結果、市街地が外延化し、人口密度も低い。人口の伸び率も中心市街地よりも郊外が増えている相対的にマンションのほうが価格は割高。
●特性:自動車依存
世帯あたりの自動車保有台数も全国2位(1.74台)。交通手段の自動車分担率は7割を超える。結果、公共交通が衰退していく。253系統あったバスも169系統になった。17年で3割減。利用者が路線バスは平成元年から69%減している。
●自動車を使えない人
車が自由に使えない人が3割いる:運転免許を持たない、自分専用の車がない。女性・高齢者が多い。
●現状の課題認識
・車を自由に使えない人にとって、きわめて生活しづらい街
・都市管理の行政コストが割高になる(道路公園の除雪も入るし、ごみ収集などの広範囲化もコスト)
・中心市街地の空洞化による都市全体の魅力の喪失(地価の下落や経済活動の低下)
●まちづくりの基本方針
・公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトな街づくり
・団子と串の都市構造
  串:一定水準以上のサービスレベルの公共交通
  お団子:串で結ばれた徒歩圏
●コンパクトな街づくりの進め方
・規制強化ではなくて、誘導的手法が基本
  →都市計画区域を拡大していくわけではない
・市民によって、まちなかか郊外居住か選択できるようにする
・公共交通の活性化
・地域拠点の整備により全市的にコンパクトな街づくりを推進
  →旧富山都心部だけではない
●具体的な方法
・公共交通沿線居住推進地区の設定(後に説明)
■■公共交通活性化施策
●基本方針
・まちづくりの観点から必要なものについては、行政がコストを負担する。
・沿線の街づくりを一体的に行う
●鉄軌道の活性化
サービスレベルの確保
サービスレベルは30分に1本ということで定めている。
●バスの活性化
コミュニティバス、乗り合いタクシー、赤字補填など。
■公共交通活性化計画
活性化推進について、平成19年3月に策定。
■ライトレール整備
JR富山港線の延長8km。単線電化路線だった。
輸送人員がどんどん減少。本数が少ない→利用者減→本数がさらに減るという悪循環があった
●新幹線が開通
新幹線が開通することで、富山駅を高架化。富山港線を移設し、LRT化。駅を新駅設置したり、終電を21時から23時に変更したり、ラッシュ時の本数を増やした。
●バリアフリー化など
トータルデザイン化やバリアフリー化を進めている。連絡バスもあり、運行時刻にあわせている。
■ライトレール㈱
・整備は行政がすべて負担(58億円の整備費用:国22億、県9億、JR西日本協力金10億、富山市17億)
・維持管理にかかる費用1億円程度も行政
・富山ライトレール㈱は運行経費2億円程度(人件費・電力費)を運賃収入で負担
■利用者満足度
・利用者は大幅に増加した
・アンケートを行った結果8割以上が評価すると回答。
■その他の公共交通
●JR高山本線における社会実験
岐阜~富山間を結ぶ列車。
増発の経費は富山市が負担:1億5千万円/年払う。増発の増益は市に戻す。
34本を60本にした。
乗車人員は、5.9%の増加した。1600万円の戻入があった。
40%の増加になれば、トントンという計算。
■■富山市まちなか居住推進事業
■現況
人口減、ごま塩上の街区の増加、駐車場面積の拡大(地区内の1割以上)。
■施策の3つの柱
・滞在型の空間の創出
・公共交通機関の利便性を高める
・定住人口を増やす
■まちなか居住推進事業の対象区域
区域を定めて、目標を掲げている
・10年間で7000人の人口回復
・世帯規模を2.3人とし、約3000戸の住宅供給が目標となる。
●補助概要(支援メニュー)
・住宅取得支援事業(50万円/戸):20㎡台のワンルームは対象外(学生除く)
・住宅家賃助成事業(1万円/月/3年間):20㎡台のワンルームは対象外(学生除く)
・共同住宅建設促進事業(100万/戸):55㎡以上など
・地域有料賃貸住宅補助事業(50万/戸):国の補助メニューにプラスアルファする
・住宅転用支援事業(100万/戸):ホテルからの転用など
・住宅併設店舗等整備支援事業(2万円/㎡):低層階に店舗や医療・福祉施設を併設する場合。300㎡上限
・まちづくり計画策定支援事業(100万円/件/2分の1上限)
●まちなか居住環境指針・高さ指針
ゾーンを3種に分ける。
中心ゾーン、居住環境協調ゾーンⅠ、居住環境協調ゾーンⅡ
強制的なものではなく、補助メニューを受けるためのもの。
■公共交通沿線居住推進事業
・公共交通沿線居住推進地区
都市計画マスタープランとは関係なく作られた。
(鉄軌道駅から500m、バス路線から300m、用途地域が定められている区域)
●補助概要(支援メニュー)
・市民向け支援
  →住宅取得支援事業(30万円/戸)。上乗せ補助があり、地区外から、高齢者同居で10万円ずつ
・事業者向け
  →共同住宅建設促進事業(70万円/戸)。
■■市街地再開発事業
■グランドプラザ
グランドプラザの現状を視察。
http://www.grandplaza.jp/
■所感
都市計画の手段を規制的に使うのではなく、補助メニューなどを用いて誘導する手法については、首肯できるところもあるが、財政的な裏づけがあまりなく、国の補助メニュー(まちづくり交付金)を受けての事業であることが、課題であると感じた。
また、ライトレール的な交通システムについては、既存旅客路線を利用しているという点からも、本市にはなじまないと感じた。

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