活動日記

所信表明演説の原稿

2009年9月4日議会

昨日行いました所信表明演説の原稿を掲載します。
(プリントアウトしてご覧になりたい方に
 ワードファイルでも用意しました。
 こちらをクリックしてください
※長文ですが、ご容赦ください。
1 はじめに
1.1 あいさつ
皆さま、こんにちは。吉田雄人です。
議長より発言の許しがありましたので、
ただいまから、40分くらいかけまして、
市政運営にかかる私の理念と基本的な方針を
所信として表明させていただきます。
議員の皆さま、ならびに市民の皆さまにおかれましては、
より一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
1.2 就任の意気込み
さて、あらためまして、私は、先ごろ行われました市長選挙におきまして、
有権者の皆さまから厳粛な信託をいただき、
第35代横須賀市長に就任いたしました吉田雄人です。
愛する横須賀のためのかじ取りを担える栄誉と喜びを感じるとともに、
横須賀の実情を知れば知るほど、
その責任の重さと、乗り越えるべき壁の大きさに
身が引き締まる想いです。
市長就任以来、2ヶ月近くが経過しました。
その多くの時間を、職員の皆さんとのヒアリングに割き、
選挙戦で掲げたマニフェストの共有、
現行諸施策とのすりあわせに腐心してまいりました。
選挙において市民に負託されたのは、
私自身と言うよりも、このマニフェストでした。
ですから、このマニフェスト実現こそが、
市長である私に課せられた使命でもあります。
ただ、マニフェストに向かって早く行動せよ、
といった市民のお叱りのことばも耳にしているわけですが、
私にとっては今後大きく羽ばたいていくための
必要不可欠な助走期間ですので、
ご理解いただきたいと存じます。
1.3 有権者の皆さまへ
さて、今回の選挙の結果を分析すれば、
有権者の過半数が投票に行かず、
また、投票に行かれた方々の過半数が、
私には投票をしていないという結果でした。
実際、就任より2カ月弱、すでに多くのご意見やご批判を
頂戴してまいりました。
私としては、私に投票していただけなかった方々からの
ご意見に対しても、耳をふさぐのではなくて、全身を耳にして、
誠実に向き合ってまいりたいと考えています。
それが「一つの横須賀」に対して、
「オール横須賀」で取り組むべき課題を乗り越え、
「あたらしい横須賀」に向かって進んでいく、
ふさわしい態度なのです。
1.4 議会の皆さまへ
またごく一部のマスコミから
「オール野党の議会をどうやって乗り切るか」などという
興味本位の質問が出たりもしていますが、
議会の皆さまは、与党でも野党でもなく、
また、けっして「乗り切る」対象でもありません。
二元代表制民主主義という地方自治の原点からみて、
車に例えれば
市長がハンドルをにぎる運転手だとすれば、
市役所がエンジンであり、
アクセルやブレーキ、ギヤチェンジの役割を果たすのが、
まさに議会であると考えています。
「あたらしい横須賀」という目的地に向かって、
役割や立場が違っていたとしても、
一台の車が向かう先は一緒だと考えています。
ぜひとも、議会の皆さまからの、
大所高所に立ったご批判やご提案をお待ちしています。
なお、私が「議会対応マニフェスト」を作成したのも、
そのような想いによるものであることを
ご理解いただきたいと存じます。
1.5 官僚文化を乗り越えて
また、選挙の際に私が批判しました「官僚文化」について、
一言申し上げます。
私が「官僚文化」として批判したのは、
それまでの「トップの姿勢」にあらわされるものでした。
それは「財政負担を考えない、
ひとりよがりのハコモノ主義」に象徴されるものでした。
芸術劇場や美術館、ソレイユの丘といった
後世にわたる財政負担を考えず、
議会の批判や署名活動などの声を聞かずに、
ハコモノを作ってしまうという文化です。
職員の仕事に対するやる気を削ぎ、
市民のまちづくりに対する意欲を減退させ
理不尽な負担に次の世代が愛想を尽かし、
横須賀を離れていってしまう、
そんな結果を予想させる官僚文化を、
あらためて私は批判したいと思います。
そして、それを自戒し、乗り越えていくことこそ、
トップとして、私が見せていかなければいけない
最初の姿勢であると考えています。
2 横須賀のおかれている状況
それでは、本題に入っていきたいと思います。
まずは今回の、所信表明の構成をご説明いたします。
最初に、私たち横須賀のおかれている状況を、
私の社会観・人間観とからめてお話しし、
その上で、私の目指すあるべき横須賀の姿をお示ししたいと思います。
そこから私のマニフェストを位置づけ、
項目ごとに方向性を明示させていただければと思います。
それでは、まず、横須賀のおかれている状況です。
2.1 横須賀をとりまく時代状況(社会観・人間観)
2.1.1 日本と横須賀のおかれている時代状況
これまで日本は、重厚長大型の産業構造の中で、
右肩上がりの経済成長を続けてきました。
けれども、プラザ合意と冷戦の終結以降、
情報技術の登場もあいまって、市場が極端に世界化し、
バブル経済の到来と破たんなど、
きわめて不安定な状況となってきました。
そのためにいくつもの社会システムが提起されてきましたが、
どれも成功したとは言えず、
サブプライムローンに端を発する混乱の影響は、
いまだに続いている状況です。
高度に資本主義化した社会では、
つねに不安定な要素をかかえながら、
時代は変遷していくということを
新たな価値観として備えなければいけないと考えています。
そうした考えに基づいて、
横須賀のおかれている状況を把握しようとすると、
日本が高度経済成長を終えて以降、
住重の浦賀ドッグや日産の佐原工場の閉鎖と
YRP(横須賀リサーチパーク)の発展に象徴されるように、
まさに日本経済の歴史と、相似形をなす歩みを見せています。
遅すぎた地方分権改革である2000年の地方分権一括法の施行のあと、
2001年に横須賀市が中核市に移行したことも、
けっして偶然ではなく、符合しています。
私が言うまでもなく、横須賀はそういうまちなのだと思います。
横須賀製鉄所の設立以来、日本の産業界をリードし、
旧軍港市転換法による住民投票実施以来、地方分権の先を走る
また、その栄枯盛衰とともにあったのが、
私たちの横須賀というまちなのです。
また、社会を支える根本である人口についても
その動態は、減少傾向であり、
横須賀市においても少子高齢化が加速し続けています。
今年発表された最新のデータでは
横須賀市の人口の24.1%が高齢者であるということでした。
また、合計特殊出生率は、毎年1.25前後で
全国平均を常に下回って推移しています。
子どもを産み・育てやすい環境づくりや、
若い世代の流入人口を増やすための施策などを
強く推し進めなければいけないという問題意識を感じる一方で、
それでも人口減や高齢化は、
必ずやってくるという事実認識から
出発しなければいけないと思っています。
2.1.2 日本人と横須賀市民のおかれている時代状況
こうした社会構造の変化は、
私たちの意識のあり方も変容させてきました。
生産の合理化、組織の複雑化、
消費の高度化などによってもたらされた
経済環境の変化は、金銭的な価値ばかり強調し、
それまで地域社会に対してもっていた
人々の帰属意識を減退させました。
あらかじめ所属する対象であったはずの
家庭や学校や企業や地域社会が相対化されたことによって
みずからの居場所を失い、アイデンティティを持ちえず、
関係性を遮断し内向きにこもるか、
あるいは仮想的(ヴァーチャル)な
自己表現や関係性に満足するという
心細いけれども必死な模索が試みられつつも、
現実世界に着地できていない状況があります。
また、旧来の道徳観念も、
そのままの価値観では若い世代へは届かず、
それは凶悪犯罪や若年齢世代の犯罪を
繰り返しマスコミがとりあげる世相に象徴されています。
横須賀においても、こうした社会的変化を背景に
学校に登校したくても、
どうしても行くことができない子どもがたくさんいて、
年間100人もの方が、どうしようもなくみずから死を選び、
あるいは、みずからの子どもや、親や、配偶者に対して、
手をあげ、物をぶつけ、汚い言葉を投げ、お金を取り上げて、
暴力をふるってしまう人が多くいます。
これらは、旧来の価値観のままでは
分析することすらできない事象の数々です。
2.2 危機的な財政状況
社会観・人間観が、旧来の固定的な価値観ではなく、
つねに不安定で流動的かつ中道的な価値観に基づいて
とらえなければいけないという認識の下、
横須賀市のおかれている状況をみると、
まず、財政に言及しないわけにはまいりません。
それほど、横須賀市の財政は極めて危機的な状況です。
平成20年度末で、
はっきりと目に見える借金だけで3132億円にのぼり、
平成19年度決算で、
土地開発公社の111億円にのぼる借金に代表される外郭団体の負債、
市民病院の累積損失46億円、
そのうえまだはっきりと見えない将来の退職金の負担額、
また、施設の老朽化に伴ってかかる更新費用として
今後20年に1968億円かかることも、外部監査によって指摘されています。
数年後に控えているごみ処理施設の建て替えには、
約290億円が見積もられています。
企業の集約・統合、人口減少、
さらには低水準で推移する平均所得からくる税収入の減少、
財政調整基金などの基金残高の減少は、想像を超えて進んでいます。
さらに、医療や、高齢者、障がい者、児童に対する
扶助費にかかる支出も、
施設整備を含め、間違いなく増えていきます。
これらの状況を見ると、
他都市のように「財政危機宣言」を出しても
おかしくないような状況です。
それでは、横須賀がおかれているこのような状況には、
何の希望もないのでしょうか。
けっしてそうではありません。
ともすると絶望したくなるような現実を直視することによってしか、
希望の光は見えてきません。
それでは、横須賀の希望は、どこにあるのか。
いまあらためて横須賀の強みを見定め、
それを発揮する機会を見極めていく必要性を感じています。
3横須賀の強み
3.1 半島文化と谷戸文化: オンリーワンの横須賀
まずは、横須賀の地理的、歴史的要因から形成されてきた文化を、
一つの強みとして定義したいと思っています。
私は、横須賀の文化は、
「半島文化」と「谷戸文化」に特徴づけられると考えています。
「半島文化」とは、三方を海に囲まれていることにより醸成される
半島全体の独立性や一体感を表しています。
以前、市外局番が「0468」であったときにある人が
「0468文化」と言っていたことを覚えています。
たしかに三浦半島人は、
「045」つまりは横浜に対する心の距離は遠いものがあります。
こと川崎に至っては、市外局番が
すぐに頭に浮かんでこない時もあるほどです。
また、「谷戸文化」とは、
山間の谷戸ごとに発展してきた集落により形成される
独自性と多様性を融和させる受容性の強さを表しています。
たとえばお祭りの時のおみこしの担ぎ方一つに、
その多様性は色濃く表れています。
けれども、担ぎ方が違っていても、
それぞれが認め合い、支えあっているのが、
「谷戸文化」を象徴する横須賀のお祭りの形態です。
この「半島文化」と「谷戸文化」が融合しているということは、
みずからのオリジナリティや、よそと違う差別化の発揮に長けつつ
違う文化を積極的に受け入れることができ、自分のものにできるという
日本の国のどこを見渡しても見つけることのできない
すばらしい文化があるということができます。
まさにこの文化が土壌としてあったからこそ、
先に述べたように、日本の近現代史のスタートを切ることができ、
それ以降の時代のフロントランナー足り得たのだと思います。
私たちにとって「オンリーワンの横須賀」であるのも、
この文化があるからにほかなりません。
3.2 産業的ポテンシャル: オールインワンの横須賀
こうした文化に根差して、
横須賀には様々なポテンシャル(潜在的な力)が蓄積されてきました。
農業・漁業などの第1次産業は神奈川県下でも一大生産地ですし、
造船・自動車産業などがけん引する第2次産業は、
ものづくりの技術や伝統を受け継いできました。
またYRPが象徴する情報産業や、
歴史的遺産が数多く眠る観光産業などをふくめた第3次産業も
これからの発展性が期待されています。
商店街やスーパーなどの消費活動の場も新旧が混在しながらも、
多くの選択肢が消費者に提供されています。
また音楽や美術などをふくめた多くの芸術家・芸能人を輩出してきました。
さらには陸・海・空の自衛隊基地・防衛大学校を控え、
災害時の協力関係も築けています。
この横須賀には、ないものはないと言ってもよいほど、
快適な都市生活を営む上で必要なものはすべて揃っています。
まさに、フルセットで都市機能が整備されています。
「オールインワンの横須賀」という
このポテンシャルも、大きな強みの一つです。
3.3 市民意識の高まり: オールフォーワンの横須賀
また、市民の方々は、以前言われていたような「お上意識」をもち、
行政に依存するという体質ではなくて、
自立して、自分でできることは自分でする、
という自覚をすでに持っています。
町内会・自治会の活動、図書館活動、コミュニティセンターでの活動、
各種ボランティア活動やNPO活動、あるいは企業の社会貢献活動などなど、
市役所にしても、すでにそうした方々の存在なくして、
今ある行政サービスの水準を維持することは困難です。
市民の皆さまの活動こそ、横須賀のまちづくりの原点であり、
まちづくりをおこなう主体は、結局のところ、
そうした方々ひとり一人の、自立した「本人」なのです。
ぜひとも「オンリーワンの横須賀」、
「オールインワンの横須賀」という強みを発揮し、
「ひとつの横須賀」のために
「オールフォーワン(all for one)」を合言葉として
市政運営に臨みたいと考えていますので、
市民の皆さまにもご協力をお願いいたします。
4 市政運営の指針
4.1 基地対策
それでは市政運営の具体的な指針について、
マニフェストで掲げた項目にそって
一つ一つ触れてまいりたいと思いますが、
その前に、この際ですので、
基地に対する私のスタンス(立場)を明確にしておきたいと思います。
現在の日米安全保障体制は、日本の国益のために、
政府が選択した日本の防衛・外交政策であり、
様々な議論があった中で、現行の日米安全保障条約が、
日米両政府間で調印され、そして発効され、
現在に至っていることは承知しています。
そして、この日米安全保障条約に基づき、
日本の施設・区域を米国軍隊が使用する、
すなわち、米軍基地が日本に存在しているという現実を、
現実のものとして私は受けとめなければならないと考えています。
しかしながら、日本全体の自治体の中で、
ある一部の自治体のみに基地が存在しているという実情を考えると、
不公平感があるのも事実です。
米海軍横須賀基地の存在は、
横須賀のまちづくりに少なからず影響を与えていると思います。
また、米軍関係者による事件・事故や原子力空母の存在など、
基地があることにより、横須賀は大きな負担を背負っています。
その一方で、基地が存在することによって、
雇用の確保、経済の活性化といった効果があることも事実です。
私は、基地の存在を現実のものとして受けとめると同時に、
基本構想、基本計画の
「可能な限りの米軍基地の返還」という方針を堅持し、
基地に起因する様々な課題について、
みずからが先頭に立ってしっかりと取り組んでいきたいと思います。
在日米海軍司令官、横須賀基地司令官と私は、就任以来
数回面談し、既に率直にものを言える関係を築きつつありますが、
今後はそれをさらに強いものとしてまいりたいと思います。
そして、その関係の下に、これまで以上に
迅速な情報共有がなされる体制を
確立してまいりたいと考えています。
4.2 計画行政と基本計画の策定について
マニフェストの中身に入る前に、
もうひとつ申し上げておきたいことがあります。
それは、計画行政についてです。
マニフェストで言及していない計画や事業であっても、
横須賀市にとって必要不可欠なものもたくさんあります。
あえてマニフェストには、
既存事業を受け継ぐものは記載しませんでしたが、
既存計画や既存事業を私の信条に照らし、
現在その必要性について吟味しているところです。
そのうえで、今後は横須賀市の計画行政を
強力に、そして今まで以上に推し進めてまいる所存です。
実際、基本計画の策定が進んでいますが、
「車座会議」というかたちで市民の皆さまのご意見もお聞きしながら、
基本計画に、分野別基本計画を位置付け、
市役所の計画行政全体を俯瞰することができるような計画体系づくりを
おこなってまいる所存です。
また、マニフェストに記載した具体的な事業についても、
実施計画に盛り込む形で進捗管理を行ってまいりたいと考えています。
4.3政治信条:マニフェストの分類から
それでは、マニフェストをベースにして、
市政運営の指針を分野ごとに申し述べたいと思います。
マニフェストにおいて私が提起している分類としては、
3つの政治信条、3つの現実課題、それを実現・解決する3つの推進体制です。
その分類に従って述べさせていただきます。
4.3.1 水と緑に親しめるまち
まずは「水と緑に親しめるまち横須賀」の実現です。
あえて、自然環境保全についての言及を一番最初にさせていただいたのは、
それだけ思い入れの強いものだからです。
4ヶ月半ぶりに宇宙から地球に帰ってきた
宇宙飛行士の若田光一さんは、
地球に帰還した最初の印象を
「ハッチが開いて草の香りがシャトルに入ってきた、
地球に迎え入れられた気がした」と語ったそうです。
若田さんのことばには「地球という人類の帰るべき故郷」に
無事に帰還できたことへの素直な喜びがあふれているようでした。
転じて私たちのまち、横須賀も
たとえ離れて住んでいようとも、遠くで働いていようとも、かけがえのない故郷です。
駅に降りるたびに、玄関に立つたびに
「故郷に帰ってきた」と感じていただけるよう
自然豊かなまちづくりを、優先課題としてとりくんでまいります。
とくに、自然は近くにあるけれどアクセスできない、
その良さを知る機会がない、といったことがないように
取り組みを進めてまいりたいと考えています。
守ることのできる緑は守り、
川や海をできるだけ汚さない、
そんなシンプルな想いがベースにあります。
そこで「(仮称)水と緑の基本条例」を定め、
実効性のある環境保全のメニューを位置付けたいと思います。
4.3.2 命を大切にするまち
次に「いのちを大切にするまち横須賀」の実現です。
病気、老いや死、不慮の事故、障がい、愛する人からの暴力、貧困などは、
けっして他人事ではなく、誰もが直面する問題です。
その問題を前に、苦しんでいる人たち、悩んでいる人たちに寄り添い
その問題を乗り越えようとしている人たちの挑戦を
お手伝いしてまいりたいと思います。
また「いのち」の重さに軽重はなく、あらゆる差別や排除のしくみをなくし
誰もが自分サイズの幸せを追求することのできる環境づくりを行ってまいります。
ただ、「いのちを大切にする」ということは、きれいごととして言うは易いですが、
行動を伴う場合
どうしても専門家(人材)や先立つもの(財源)がなければいけません。
とくに高齢者・障がい者・子どもたちのための施設整備の必要性は
薄らいでいません。
市民の皆さまの善意を集めるしくみとして
人材育成のための「いのちの基金」を立ち上げたいと考えています。
また、施設整備のための「いのちの基金」もあわせて立ち上げ、
市役所の行政改革の結果生まれたお金の一部を積み立ててまいります。
職員の行革への努力の結果が基金残高として市民の皆さまに見える、
行革の目的が福祉の増進にあると理解してもらえる、
そうした性格をもった基金として位置付けてまいります。
4.3.3 人づくりはまちづくり
次に「人づくりのまち横須賀」の実現です。
横須賀で生まれ、育つ子どもたちの存在は、
「横須賀の未来そのもの」と言っても過言ではありません。
その横須賀の子どもたちの目が輝きにあふれ、
将来の横須賀を担う力を身に着けさせることが、
私たちの世代に課せられた責務です。
先人たちへの感謝と、地域を愛する心と、健やかなからだを育てていくために、
国の規制が強いため市が独自に行えることは少ないですが、
限られた裁量の中で、地域の皆さまとともに、
できることはすべて行ってまいりたいと考えています。
その道筋として、学校を地域で診断する「しくみ」をつくってまいります。
また、「人は城、人は石垣、人は堀」の言葉を待つまでもなく、
横須賀の財産は、人にあります。
とくに、その知的営みを支え、人生を豊かにするために
生涯学習やスポーツは、積極展開してまいります。
その展開の象徴的なものとして、図書館を位置づけ、
多くの方に利用し、喜んでもらえる図書館づくりを行います。
4.4 現実課題:マニフェストの分類から
それでは、次に横須賀が抱えている課題を
ポテンシャルの発揮、つまりは「活性化」という観点で
3つほど申し述べたいと思います。
4.4.1 地域経済の活性化
まずは「地域経済の活性化」です。
「横須賀の経済に元気がない」といわれて久しいように感じますが、
ここでいう「経済」とは一体なにをさすのでしょうか。
私は「働く場」だと思っています。
住んでいるところの近くに、働く場所があれば満員電車もありませんし、
家庭や趣味の時間を多くとることができます。
そしてなにより地域の経済力の発展は、
そのまま地域の福祉力・教育力の向上につながります。
多様な職場、生き生きと働ける職場が身近なところにあること。
あるいは遠くに通う人のための交通網が整備されていること。
また、市外からの観光客・ビジネスパーソンに買い物をしてもらうこと。
そして、その結果として、地域にお金が流入し、循環し続けること。
そんな状態を理想として、取り組んでまいります。
言うまでも無く、お金は天下の回りものです。
この回転を、横須賀市から外に出さないよう、
回転を止めないように頑張ってまいります。
入札制度にも、公平性、透明性、競争性の軸に、
地域経済の活性化という軸を追加してまいります。
また、これらのことを「(仮称)地域経済活性化基本条例」として
理念的に定めたいと考えています。
4.4.2 地域自治活動の活性化
次に「地域自治活動の活性化」です。
すでに冒頭述べました通り、
これまでの施策は
「市民はまだまだお上意識が強く、行政に依存している」という前提で、
制度設計がなされていました。
けれども私は、すくなくとも制度設計の前提としては
「市民はすでに自立し始めている」という価値判断にしたがって
おこなってまいります。
なぜなら、今の市役所の仕事は、
地域ごとの町内会・自治会、観光協会、社会福祉協議会などの団体や
民生委員、青少年育成推進員、こども会、PTAなどのみなさま、
そしてボランティアやNPO活動の存在がなければ、
立ちいかないのが現状です。
実は、地域活動や自治活動、公益活動などに頼っているのは、
市役所の側なのです。
そうした主体的な活動を、市としてはさらに伸ばしていくような取り組みを
おこなってまいりたいと考えています。
とくに行政センターのあり方を見直しながら、すすめてまいります。
また、常設型住民投票の規定を盛り込んだ「(仮称)自治基本条例」を定め、
分権型社会に対応した横須賀市と横須賀市民のあり方を
明確に担保してまいりたいと考えています。
4.4.3 市民サービスの活性化
最後に「市民サービスの活性化」です。
常に市役所は、批判の目にさらされています。
けれども一方で「対応が良くなった」と
感じていただける人たちが増えているのも事実です。
窓口での接遇は、そういう意味で常に向上を目指すべきです。
また、市役所までの距離や移動のコストを考えれば
近くの行政センターで、多くの相談や手続きがワンストップで行えることも、
指し示めす方向性のひとつです。
行政センターの見直しは、業務・市民サービスと言う観点からも行ってまいります。
また、理想とする市民サービスの提供とは、
「制度を知らない人がいないこと」だと考えています。
どんなにためになるサービスや住民サイドにたった制度があっても、
それを知らない人がいたら、市役所は恥じ入らなければなりません。
ですから、広報機能の強化は急務の課題です。
私も駅や街頭に積極的に立ち、広報紙の配布などを行うつもりでいますが、
市の職員には、全員が「なんでも相談員」であり、
「宣伝スタッフ」であるという意識をもってもらいたいと思います。
そして「市役所」が、字のごとく「市民の役にたつ所」であることを忘れず
職務に忠実であるよう、求めてまいります。
4.5 推進体制:マニフェストの分類から
それでは、以上の政策実現に向けての推進体制です。
4.5.1 市長の姿勢
まずは、市長の姿勢として、つねに自然体でありたいと思っています。
まっすぐ考え、まっすぐ議論し、まっすぐ行動する、
相手に媚びたり、遠慮したりするのではなく、
自分の信念に正直に、現場の感覚を忘れずに、全力投球してまいる所存です。
また、先人の知恵に学ぶ謙虚さをもち、みずからを常にかえりみながら、
より高い人格形成を目指し努力いたします。
「玉座に対する虚礼」を求めるのではなく、
実質的な職務と責任に対して自覚的であろうと思います。
公用車を通勤に使ったり、専用のトイレを使ったりして
特別扱いを受けることに満足するのではなくて、
庁議での意思決定や文書決裁などの際には
多くの現場を歩き、多くの先人の知恵を借り、多くの声を聞いたうえで、
横須賀の未来に対する判断を下してまいりたいと思います。
4.5.2 財政の再建
次に、財政の再建です。
先ほど、財政が危機的な状況であると申し上げましたが、
じっさいに、これまで縷々申し述べてきました施策を打ち出そうとしても、
現状では、実現に向けてまずぶちあたる大きな壁として、
財政状況が立ちはだかります。
文房具の有効利用や日々の業務改善活動など、
身近なことから着々と進めるとともに、
市独自の大型施設整備はいったんペンディング(保留)とし、
あらゆる財源確保のための国への働きかけを強化します。
それこそ乾いたタオルをさらに絞るように、
いままで行ってきた行財政改革や集中改革プランをさらにおしすすめてまいります。
また国の政権与党のマニフェストの実施状況を注視し、
対応に後れをとることで横須賀市が損をすることがないように努めます。
そして、まずは市民の皆さまと
財政の危機的な状況を共有することから始めたいと思います。
今後の財政見通しを示すための財政基本計画を策定し、
その計画をベースとした冊子を全戸配布したいと考えています。
「あれもこれもやってほしい」という要望ではなく、
「これなら自分たちでできる!」という提案に変わる土壌づくりから
財政再建を行います。
あらためて、他都市のように財政危機宣言を出すようなことはしまいと、
決意するところです。
4.5.3 市役所の改革
そのうえで、市役所の改革が必要です。
最後に頼りになるのは市役所だと、
市役所がいてくれるから、いつも安心だと
市民の皆さまに感じていただける市役所にしなければいけません。
そのためにも、職員の力の結集がなければ、
的確な市政運営ができないことは、自明のことです。
すでにこれまでの間、使用者の立場として、
職員の苦労をずいぶんと垣間見てきました。
多くの職員が一生懸命、黙々と仕事されています。
それは当然のことではありますが、私には新鮮な感じで迫ってまいりました。
職員の努力を徒労に終わらせず、
働き甲斐としてその努力が実っていくよう、
適切な人事制度改革に努力を傾注してまいります。
人事制度や行政組織の見直しを通じて、
職員の意識改革やよりフットワークの軽い市役所改革を行ってまいります。
5 むすびに
さて、最後に、
時代が抱える問題の本質は、「100年に1度の経済危機」ではありません。
「少子高齢化・高度資本主義化」によって、
人類が向き合ったことのない局面を迎えているのです。
いま、変えなければいけません。
気付いた人間が、始めなければいけません。
そこで私たちが臨んでいく姿勢は、
いたずらにイデオロギーや「あるべき論」をふりかざすのではなくて、
現場に目をむけ、足を運び、何が問題となっているのか、
その構造的要因は何か、解決に向けてどのような選択肢や資源があるのか、
それを柔軟に、しなやかに、しがらみのない立場から考えることです。
「次の世代に私たちの愛する横須賀をのこしていくこと」。
「いつまでも住み続けたいと思うまちにしていくこと」。
横須賀は一つしかありません。
この「ひとつの横須賀」を、私たち全員で「オール横須賀」で、
「あたらしい横須賀」にチェンジ、変えていかなければいけません。
つねに未来は、暗く、不確かなものです。
けれども、その未来という闇の中を照らすことができるのは、
ほかのだれかではなく、私たちにほかなりません。
「生せは生る 成さねは生らぬ 何事も 生らぬは人の 生さぬ生けり」
(原文のまま)
やればできる。その信念と初心を忘れず、
一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
長時間にわたり、ありがとうございました。

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