活動日記

■岡山県Satoyamaスタディーツアーに参加してきました■

2018年6月18日里山里海

6月8日、9日の行程で、岡山県真庭市と備前市をめぐるSatoyamaスタディーツアーに参加してきました。

8日の真庭市では、太田市長からの「『里山資本主義』を市の総合計画に位置付けている」というお話に衝撃を受けながら、さまざまな実践者の皆さんの活動を視察させていただきました。
そもそも総合計画とは、そのまちのビジョンを「計画行政」の中に位置づけるものです。その説明に(なんと表紙に!)「『里山資本主義』真庭の挑戦」という言葉を大々的に掲げるということに、太田市長の並々ならぬ想いを感じました。それもそのはず、真庭市は『里山資本主義』の中でもかなりのページ数が割かれて紹介されている自治体です。実際にお会いしてきた実践者の皆さんは一味ちがっていました。

(中央:太田昇真庭市長) 
・真庭市「ようこそ市長室」:
http://www.city.maniwa.lg.jp/webapps/www/info/detail_2.jsp?id=640
・真庭市総合計画本文:
http://www.city.maniwa.lg.jp/webapps/open_imgs/service/0000000215_0000028107.pdf

まず、お邪魔したのが銘建工業の中島浩一郎さんを中心とした取り組みです。コンクリートや鉄骨にも負けない強度と防火耐性をもつCLT(Cross Laminated Timber)という工法による材木の加工工場を見学させていただいたり、バイオマス発電とその仕組みをガイドしていただきました。とくに真庭のバイオマス発電は、ただ木材を燃やして発電する、ということだけではなく、木材の集め方からして違っていました。どうやれば、山を持つ人や山で働く人に経済を還元できるか、という仕組みが考えられていたのが印象的でした。


・銘建工業:
http://www.meikenkogyo.com/
・真庭バイオマス発電所見学ツアー:
http://biomass-tour-maniwa.jp/tour/

真庭市のもう一つの里山資本主義の側面として中和地区での取り組みも拝見させていただきました。言うなれば「小さな里山資本主義」。人口700人弱の地域での実践として、(一社)アシタカ代表の赤木直人さんを中心とした取り組みと、真庭なりわい塾の説明をお聞きしました。
赤木さんは、奥さんが真庭出身ということで移住をしてきた他県出身の方。木材を地域の方から買い取りそれを薪に加工して、ボイラーの熱源や薪ストーブの燃料として販売する事業を立ち上げていました。また、木材の購入にあたってはその単位設定を「目分量」としたことや、子どもたちの遊び場を山の中に作ろうとしていたり、「くろもじ」と呼ばれる植物からアロマオイルを抽出したり、廃棄予定の大根を買い取って「いぶりがっこ」を作って販売したり、さまざまなアイディアで里山を活用してらっしゃいました。

真庭なりわい塾は、渋沢栄一の玄孫にあたる渋沢寿一さんが立ち上げたNPOで、関係人口を増やすために、毎月1回1泊2日で大阪などから真庭での町おこしを学び、そして関わっていくプログラムを提供していました。こういう機会があるというのは、とっても良いですね。

・赤木さんが代表を務めるアシタカのHP:
http://ashitaka.or.jp
・真庭なりわい塾:
http://maniwa-nariwai.org

9日の備前市では、日生地区のアマモの種を集める活動に参加してきました。以前Satoyamaカフェで講演していただいた「里海づくり研究会議」の田中丈裕さんからお誘いいただいての参加です。田中さんは『里海資本論』の一番の舞台となった日生漁協でのアマモ再生活動の第一人者です。講演を聞くだけでなく現場での活動への参加をさせていただき、さらに理解を深めさせていただきました。

アマモの再生の意義はすでに以前触れていますので繰り返しませんが、種となる流れ藻の回収に、本当にたくさんの子どもたちが参加していることにはびっくりしました。田中さん曰く、以前は「流れ藻が多くなって迷惑」などという声もあったけれども、子どもたちが家に帰って話をしてくれたり、活動の様子が報じられるようになって、街全体がアマモの再生に理解を示してくれるようになったとのことでした。

また循環型地域のモデルという意味では、海のイベントに農協さんが参加されているのも印象的でした。日生町漁業協同組合の天倉専務理事から座学で講義をいただきましたが、アマモやカキ殼を肥料や土壌改善に使う農家が増えていることも紹介がありました。その肥沃によみがえった土壌が川を通じて海に栄養を運ぶということで、里山と里川と里海が一気通貫する理想的なモデルです。また私から「漁師の皆さんが関わるケースは珍しいが、漁獲が増える等のインセンティブがはたらいているのか?」という質問に対して、「魚種が増えたり災害に強くなったが、漁獲はそれほど増えていない。それよりも、次世代に海を繋げることに誇りを感じている」というお答えをいただきました。参加している我々は一同拍手。アマモを通じた備前市日生地区のまちづくりは、まさに『里海資本論』のフロントランナーでした。

・里海づくり研究会議
http://satoumiken.web.fc2.com
・日生町漁業協同組合
http://www.hinase.net

このスタディーツアーの参加者には、Satoyama推進コンソーシアムのイベントである「里山カフェ」に登壇していただいた「瀬戸内ジャムズガーデン」の松島匡史さんや「しまの会社」の村上律子さんも参加してくださいました。また7月30日開催予定の里山カフェに登壇していただく「MIKADO LEMON」の三宅紘一郎さんも途中参加してくださり、実はバスの中での会話などでいただいた気づきなども多くあり、とっても贅沢なツアーとなりました。なお今回は一般募集は行わず、Satoyama推進コンソーシアムの会員にはご案内させていただきました。

・瀬戸内ジャムズガーデン:
http://jams-garden.com
・弓削島しまの会社:
https://www.shimano-kaisha.co.jp
・MIKADO LEMON:
http://naorai.co/mikado-lemon/

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